感染アラートのアプリ始まりました。是非ご活用を!

5月18日にブログで紹介した感染アラートアプリ、始まりましたね。少し不具合もあって、まだうまく通知されないようですが、皆さん使い始めていただいてますか?高齢者はなかなかアプリのダウンロードと言われてもピンとこないと思うので、お子さんやお孫さん、若い友人の方に、是非助けてもらって入れていただくといいと思います。

使い方としては、家から出るときにスマホを携帯してくれさえすればOKです。

【ご自分が感染者になった場合】保健所から感染者番号が伝えられるそうですので、それをご自分自身でアプリに入力して送信してあげましょう。

【濃厚接触者と通知が来た場合】もし感染者と二週間以内に15分以上1メートル以内にいたら、通知が来ます。ドキッとすると思いますが、マスク外していたとか、手洗いに自信がないとしたら、症状の有無にかかわらずよしば診療所に相談してもらって大丈夫です。
コロナの診断は、発症して一週間程度で判明するケースが多いと思いますので、自分に感染者からの通知が届く頃には、ちょうど発症初期くらいのタイミングと想定されます。ですので、その時点で体調が悪くなりつつあれば、積極的にPCR検査を検査センターに依頼します。問題は全く症状がない場合ですが無視はできません。とくに若い人は症状がなくても感染していることがあります。全員即検査というわけにもいかないかもしれませんが、検査件数が少ないうちは検査を考えます。件数が増えてきたら悩ましいですね。。。

自粛解除に伴い、患者さんの数はじわじわ増加傾向です。どこまでの活動を自分に許していくのか、徐々に自分自身で線引きを更新しながら、そろりそろりとやっていくしかないですね。私は先週しばらくぶりに息子と外食しましたが、席は一か所ずつ仕切りがあるとんかつ屋さんで、斜め前に座って食べました。もともと話が全く盛り上がらない親子 :cry: なので、唾を飛ばすことはなかったと思います。

 

この冬のコロナ再流行に備え、インフルエンザワクチンをしっかり作って欲しいです。

おかげさまで、久喜市周辺は新たな感染源のわからない患者さんは出ていない状態が続き、ほっと一息が続けられている状況ですが、
感染のピークは次の冬で、第一波よりずっと大規模になるのでは?と予想されています。気を引き締めていきたいです。

今年の1〜3月は、開業以来ダントツにインフルエンザの少ない年でした。理由はよくわからないのですが、コロナウイルスの影響を受け、早い段階からみなさん感染に気を配り始めてくれたからでしょうか?ウイルスに変化があったのでしょうか?
来シーズンも少ないといいのですが、コロナと一緒に流行すると非常に厄介です。なぜなら、インフルエンザの迅速検査が非常にやりにくい状況と予想されるからです。
冬に備え防護服がわりの雨合羽はだいぶ備蓄していますが、流行が今年並みに少ないことを祈るばかりです。

そんなわけですから、今年はインフルエンザワクチンはぜひ受けていただきたいと思っています。例年は受けてないよという方も是非検討して欲しいです。
ところがです!
主にここ3年ですが、ワクチンがスムースに注文できたことがないのです。卸さんは懸命に平等に行き渡るようやりくりしてくれている様子でしたが、接種をお断りせざるを得なかった方がたくさんいました。毎年打っている人を断るわけにはいきませんから、初めての方を断ることにしていましたが、一見さんだから別にいいやとは絶対に思えず、今年は打ちたいという理由は様々あり、本当に心苦しく思っていました。
例年ですらそうなのに、今年は絶対希望の方をお断りしたくありません。
ワクチンを作るのはもう始まっていると思いますが、今年は絶対に例年の1.5倍くらいは作って欲しいです。周りの先生方を話をしても、やはりワクチンのことは気にされています。

一体誰に訴えればワクチンの生産量を増やしてくれるのか、下々の一兵卒ではわからないのですが、今年の冬こそはなんとかして欲しいです。ワクチンのことを言い出すと、インフルエンザ以外にも色々愚痴が出てしまうのです。

できたらこの希望は賛同していただけたら広めて欲しいです。

6月からPCR検査センターが稼働します。

先日のブログでも少し触れましたが、南埼玉郡と北葛飾郡北部の医師会が合同でPCR検査センターを立ち上げましたが、これが6月1日から稼働することとなりました。
久喜市内でも多くの施設が手上げをし、持ち回りで医師が検査をしに行きます。今のところ、ウイークデーの午後1-3時で二人体制です。

ここでお知らせしておきたいのは
こちらには、直接患者さんが検査を受けに来ることはできないということです。
体調が悪い際には、みなさんはまずは最寄りの医療機関にかかっていただき、問診や診察、必要に応じて採血やレントゲン検査を受けたりして、検査が必要か判断してもらってください。コロナが疑われる場合は私たち診療所の医師が検査センターに予約をして、患者さんに検査を受けに行っていただくという流れになります。
患者さんとしては面倒かもしれませんが、このトリアージの診察にはかなり時間がかかります。だれもかれもが検査センターに押し寄せてしまったら対応しきれなくなってしまいますし、検査数に限界があるPCR検査が実際必要な人に回らなくなってしまう可能性も出てきます。
ご協力をお願いいたします。

実際今は、かなり皆さんが努力してくれているおかげで、コロナもそれ以外の風邪も非常に少なく、体調不良でいらっしゃる人の半分近くは、体調不安のご相談になっています。熱がいつもより高い、息苦しい気がする、のどに違和感があるなど一見風邪のような症状でも、実は不安からくる心身症だったりします。しっかり見極めようと思いますので、遠慮なくこちらにお電話ください。

 

今年に入ってから3月までの死亡数少なめです。

昨日、厚労省から3月分の人口動態総覧が出ました。
昨年度と比べて、死亡数は1月が1万人減少、2月が2000人減少、3月は170人程度の減少です。速報なので、死因別にはなっていないのですが、1,2月は例年に比べインフルエンザが非常に少なく、おそらく感染症全体が減っていて、それに関連する肺炎などの死亡が少ないのかなと思います。
3月には、減少の割合が減ってきてはいます。死亡数自体は2月とあまり変わっていません。これをどう解釈するか。よしば診療所だけの統計ですが、インフルエンザ患者さん今年3月は0名でしたが、昨年も3名のみで、その前5年の平均80.8名に比べたらずばぬけて少なかったです。なので3月も隠れコロナ死亡者が大勢いたという感じはしないです。
そのころはちゃんとまだ少なかったんですね~。ほっとするとともに、これからの戦いが長く続くのだなあと覚悟した次第です。

非常事態宣言も解除され、これからの動向に気を付けながら少しずつ緩めて生活をしていきたいと思いますが、私が一番腑に落ちて参考にしたいのが京都大学の獣医さんである宮沢孝幸先生の意見です。YouTubeやTwitter、Facebook、関西中心にラジオやテレビでもコメントしてくれている方です。よかったら検索してみてください。
結局、どこがウイルスに触れたとしても、最終的に目、鼻、口から入ってこなければ感染しないんです。直接のしぶきを浴びないこと、手を顔にもっていかないことを徹底的に心がけていきましょう。
感染経路別に考えてみると。。。
メインである飛沫感染、人と接するときには基本的にマスク、自分と相手がダブルでやっていれば、大きなしぶきはお互いのマスクの内側でキャッチできます。どうしてもマスクを外さなければならないのは食事時です。この時はできるだけ向かい合わない、小声でしかしゃべらないを心がけます。
微小な飛沫感染であるエアロゾル感染については、換気で空気の動きを作ってあげれば拡散してしまうのでさほど心配はありません。
接触感染も気にはなりますが、ゼロにまでしなくてもウイルスが感染を成立させることは困難とのことですので、15秒ほどの簡単な手洗いや濡れたハンカチで拭ったりでもかなり有効とのことです。
煩わしいですが、これらを習慣づければおおむね大丈夫です。

前も書きましたが、問題はガチの接触スポーツですね。バスケ、ラグビー、柔道、プロレス、相撲など。検温などで体調をみてというくらいしか予防策はないですよね。いい予防接種が出来上がらない限り、プレーヤーは危険にさらされてしまいます。ワクチンについては全世界で120くらいの開発チームが動いているともいわれますので、期待しています!!

6月学校が再開になりそうです。

今の流れで行くと、6月から学校が再開になりそうですね。うちの息子も高校一年なので、やっと様々な学校生活、人間関係がスタートできると嬉しく感じる一方、感染の可能性がぐんと増えるので心配もしています。

学校内では、体育、実習、部活などはどうするのか、教室内の机の間隔、時差登校などなど、学校の先生たちは様々シミュレーションしていることと思います。若年者は無症候性感染の可能性が高くなるので、家族に体調不良の人がいたら、本人が元気でも感染を広げないためには登園、登校を遠慮するくらいの、厳しめな線引きが必要と思います。学校内で過ごす間、若者である生徒はできるだけ様々な経験をしてほしいと思いますが、特にご年配の先生方は生徒と距離を取るようにし、休み時間には毎回しっかり手洗いをして自分の身を守っていただきたいです。
これまでも学童、保育園は休まずやってくれていますが、クラスター発生の報道はとても少ないですね。赤ちゃんなんてマスクしないでしょうし、隣り合ってギャンギャン泣くこともあると思うのですが、どんな工夫をしているのか知りたいです。

実は、私が心配しているのは、校内でのことより公共交通での通学です。今電車などを利用しているお勤めの人たちは、帰りにちょっと一杯もないですし、車内で喋ることはほとんどないと思います。そのおかげで電車内でのクラスターは発生していないのだろうと思っていますが、学生がこれに混じってくるとどうでしょうか?数名で話をして盛り上がってついつい声が大きくなることもあるのではないでしょうか?普段ならわたしもかつてははしゃいでいた青春時代なのですから、少々うるさくても注意するほどのことではないと思っています。ですがこのご時世、本当にかわいそうなのですが、乗り物内はいわゆる3密になりやすい場なので、マスクは絶対外さず、できるだけ静かに乗車してください!と釘を刺しておきたいのが、母親でもある私の気持ちです。
診療所のブログを読む学生はあんまりいないと思いますが、ぜひそのことは高校生、大学生の皆さんに、考えておいてもらいたいと思います。

濃厚接触者アラートアプリ、早く欲しいです。

コロナ感染者の数、一旦ピークを超えだいぶ落ち着いてきましたね。年が明けてから、実は今が一番ホッとしている私です。
1、2月はまだ感染者数の数は少なかったですが、検査してないからみつかっていないだけなんじゃないかと疑っていたので、不安で悶々としていました。3月いよいよ足どりが追えない患者さんの割合が増えてきて、下旬は焦り、無力感に苛まれていました。早いうちから検査やクラスターを追うシステムができている韓国が心底羨ましかったです。
そして約2ヶ月、みんなでそれぞれ我慢しましたよね!!
医療従事者としては、地区の検査体制も整いつつありますし、今は接触歴がある人はほとんどいないので風邪症状で受診される方でさえ、ごくわずかです。こんなわけでやっと少し気持ちにゆとり出てきたといったところです。

これから、緊急事態宣言が解除され少しずつ経済活動が戻っていくにあたり、絶対にまた増えてくると思いますので、第二波に対して気持ちを作っておきます!!

昨夜のNHKの番組で、スマホアプリで自分が感染者と一定時間以上近くにいたら、濃厚接触者ですよとアラートが届くというものが開発できたとやっていました。ご覧になった方も多いのではないかと思います。これはBluetoothで接近した人を捉え、個人を特定しない(いつどこで誰からうつったかはわからない)形で提供され、プライバシーは極力保たれることになるそうです。これが提供されることになったら、自分も絶対入れておきたいアプリだと思いました。
この先うまくいけば徐々に外出規制が緩和され、出かければ必ず見ず知らずの人ともそれなりの時間、近接して過ごすことになりますよね。その外出が怪しかったのかどうか、しばらくしたらアラートが届くようなシステムがあったらどうでしょう。アラートが来れば、自ら自己隔離を開始し、体調管理を徹底します。このステップができてこそこのアプリの価値があります!
私自身も、先々電車に乗って東京に行き、学会に参加したり、美術館、お芝居、買い物を楽しんだり、食事したり出来るようになるかしら、、、、。もしアラートがきたら診療所には降りて行かず、自宅に電子カルテをつなぎ、テレビ電話を介して患者さんとやり取りをし診療に当たるのもアリかと思います。外出時に元気だった人が症状を出して診断されるまでは一週間くらいかかると思うので、接触からアラートが来るまでのタイムラグを考えたら、3日くらい体調を見てなんでもなければOKかな。体調が悪くなった時にはコロナ検査を受けることになりますね。は〜、想像(妄想)すると、診療などやはりかなりやっかいなことではありそうですね。自分自身は外出自粛を解くのはみなさんの中で一番最後にしよう。
逆に医者としてのメリットとしては、風邪患者さんからもアラートが出ているのでと言われれば、コロナ検査を行うかどうか判断する指標の一つとして使えると思います。
このアプリは、できるだけ多くの人が入れてこそ、一人一人がアラートをうまく活用してこそ!生きてくるものなので、ぜひ周りの方には勧めたいと思います。

各都道府県から、自粛緩和の条件が続々出ています。

自粛期間延長が決まり、感染者の少ない県を中心に自粛緩和の条件を出してきています。埼玉県は、東京に隣接しておりまだまだ南東部の患者さんが多いため、なかなか活動再開は難しいのかもしれませんが、他県の状況を参考にして基準を考えていただけるといいと思います。

医師会の方でも、このあたりは南埼玉郡と北葛飾郡合同で、検査外来をスタートさせる計画があり、本日手あげした施設を対象に講習会が行われる予定です。それなりに人が集まりそうなので、換気やマスク、手指消毒など感染には気をつけないとですね。
こちらがうまく運用できるといいなと思っています。詳細がわかったらまたこちらにあげますね。

マスクの再利用について

4月22日の投稿で、一週間外気に吊るしておけば、洗わずとも再使用OKとお書きしましたが、香港からの論文で、22度の環境下でサージカルマスクの表面に一週間後でも感染力を持つウイルスが検出されたと言うのがありました! なので、その投稿を撤回させていただきます。

使える情報ありがとうと言ってもらえたこともあったので、本当に申し訳ないです。

紙の上でなぜ1日でいなくなるのになぜマスクでは残るのかとか、感染力を持つウイルスの定義がよくわからないのですが、また時間があるときに原文を探して、今日のブログを改訂できたらと思っています。

どうしても替えのマスクがない場合、石鹸水で優しく洗ったり、お持ちの場合はアルコールを吹きかけたりの方が良さそうです。ただ手を加えるとマスクの繊維を変性させ効果が落ちるとも言われているので、これからの時期は7日ローテーションでも間違いはないとは思っています。コロナウイルスは熱に弱いですので。

メジャーなPCR法以外にもコロナの検査はあります

今、テレビでよく言われているコロナの検査、PCR法というのは一気にみなさん馴染みの言葉になったと思います。実はウイルスの検査には、それ以外にもいろいろあります。ご存知のみなさんもおられると思いますが、開発の進捗情報も交えてまとめてみたいと思います。

まずは有名なPCR法。これはウイルスが持つ特有のDNA(理科でやりましたね)を、細胞から取り出して増やし、それを見る方法です。ウイルスを直接見る方法なので、今自分の体の中にいるかいないかがはっきりわかります。検体の取り方は、インフルエンザの時に経験された方も多いと思いますが、患者さんの鼻に綿棒を入れてクリクリしてとる!です。これが今は丸腰でやると医者に感染るということで、完全防備スタイルを準備しないとできません。検査室での手順が複雑で難しいためあんまりいっぱい検査できないのが難点ですが、今いろいろ改良されて、短いものだと1時間ちょっとで結果が出る方法(島津製作所)が開発されています。ここのところ唾液や鼻水でも遜色なく検出できるとちらほら報告が出ています。

次に抗体検査。これはウイルスに感染した時に、その人の体が防御反応をしたぞというのを見る方法です。血液で作られた防御反応の印(=抗体)をみるので、ウイルスを直接見るものではなく間接的にみています。ヒトの体は、症状が出ると一週間くらいで早い抗体(IgM抗体)を作ります。二、三週間すると遅い抗体(IgG抗体)が作られます。IgG抗体は体が回復した後も血液中に残るので、血液をとって調べれば以前にかかっているかどうかをチェックできます。この抗体検査キットは、雨後の筍のように出ています。日本ではクラボウ、ヤマト科学、医学生物学研究所、極東製薬工業などが中国や韓国のキットを発売しています。4月初めに頼んではあるのですがまだまだうちには回ってきません。しかも熱が4日続いた、早速検査しよう!!のタイミングではまだ陽性にはならないので、一般臨床ではあまり活躍できないかもしれません。

現在日本赤十字社で献血を使って、知らないうちに感染が終わっている人がどれくらいいるのか、またいくつかの検査キットの優劣を比較するための検討をしているところです。早ければ5月初めには結果が出るとのことです。アメリカニューヨーク州では3000人に対してこの検査を行っていて4月24日に14%がすでに感染していると発表しています。

長くなってきました。メインの最後は抗原検査です。これはよしば診療所で普段インフルエンザの迅速検査でも使っているキットと同じ原理です。COVID-19の表面にある固有の抗原(目印)にくっつく抗体を作ることで、この抗原+抗体の免疫複合体をトラップして目視で簡単に確認できる検査です。これが一番手っ取り早く臨床で使えるツールだと思いますが、検体採取は鼻クリクリなので、やはり完全防備セットを備えていない一般の診療所では今のところ難しいです。横浜市立大がこのウイルスにくっつく抗体を作ったとのことですし、富士レビオという会社がすでにキットを生産し始めているということです。期待しています!!

そして、おまけのもう一つ、LAMP法という新しい検査もあります。これは栄研化学が開発した方法で、PCR法と同じくウイルスのDNAを検出する方法ですが、より簡単に小さな機械で検査をすることができるのが売りです。長崎大学とキャノンが機械を共同開発しています。

ここまでの内容、読んでいただきありがとうございます。お疲れ様でした。

今研究者の方は猛スピードで開発してくれています。今はまだ、検査結果は偽陽性、偽陰性が多く、完全に信じられるレベルではないと思います。いくつかの検査の組み合わせで正確性を担保すること、今後、精度のいいものが残り裾野に広がってくることを、祈る気持ちで待っています。