水ぼうそうが流行っています

3月中旬に第一陣で7歳のお子さんたちが数人受診されましたが

この週末にその方たちからの感染と思われる患者さんがまた数人見えています。一回予防接種を受けているお子さんもかかっている場合があります。

水ぼうそうは潜伏期が二週間くらいですので、少し間が空くのですが、空気感染でとても移りやすい感染症なので、要注意です。

久喜駅東側を中心として小学生の皆さんは、朝起きた時に体にぽつっと2,3か所で来ていたら、一日学校を休んで様子を見てもらうくらいのつもりで対応してもらえると助かります。週明け辺りまで第二陣の発症が心配です。

昨日新たに感染した場合は、第3陣として4月5日くらいから症状が出てくるのでそのころに特に気を付けてください。ちょうど学年最初の登園、登校と重なる時期なので休ませたくないのが人情だと思いますが、気を付けて観察してもらえると助かります。

尚、水ぼうそうは平成26年10月1日より定期接種化されており、それ以降に1歳になったお子さんは2回予防注射を受けていると思います。二回接種している場合は、非常にかかりにくいと思いますが、周辺地域の園児さんや、中学生のお子さんなども少し気を付けてください。

 

スギ花粉症の舌下免疫、効果ありです。

数年前から始まった、スギ花粉症の舌下免疫療法ですが、

昨シーズンから、錠剤のシダキュアというお薬が加わりました。
今シーズンこれまで患者さんの経過を見てきて、
これまでの薬より早く効果が出ていると実感しています。
まだ1年目なので、”それほど変わらないですよね?”と伺うと、
かなり食い気味に”いや、だいぶ楽なんですよ”と言ってくれる方がこれまでの薬より断然多いです。

実は、私の息子も花粉症がひどく(採血でクラス6と振り切れてます)、秋の終わりごろから始めていて結構やり忘れる日も多い(うちの患者さんの中では断トツで不真面目)にもかかわらず、今シーズンは楽そうにしています。シーズン初めは気を使って洗濯物を部屋干ししていましたが、最近は外に干しています。

今のところ新薬の扱いで二週間ずつしか処方できないため、治療している方には面倒をおかけしていますが、
この5月からは、長期処方ができるようになり慣れてきた方はさほど通院しなくて済むようになります。

スギ花粉で今絶不調の方は、シーズンが終わった夏以降にご相談ください。

 

高血圧の講演会に行ってきました。

少し前になりますが、先週木曜に高血圧の講演会に出てきました。

4月から高血圧のガイドラインが少し変わるので、そちらの話も出てきました。

最近は特にアメリカで高血圧の診断基準が厳しくなり130代は高血圧ということになりました。日本ではそこまで引き下げないですが、130代は高値血圧(苦肉の策のネーミングですね)とのことで気持ち的には120代を目指したい方向です。

私自身はこれまで夏は120代、冬は130代が出ていても仕方ないかな、120を切ったら少し薬を減らす方向でと考えてやってきました。血管自体は血圧が低ければ低いほど、しなやかに保てるわけですからとくにまだ血管が傷んでいない若い患者さんを中心に、もう一歩踏み込んで進めていこうと思いました。
ただ、やはり血圧が下がるとだるいとか立ち眩みがするとか、ふらつくといった症状が出てしまう方もいます。そのような方は焦って下げず、少しずつ、出来る範囲で下げていかないと、薬を飲むのがつらくなってしまいます。その辺りをしっかり把握して個々の患者さんに見合った降圧目標をしっかり立てていきたいと思います。

 

午後はのんびりしています。

インフルエンザはひとまず落ち着き、

花粉が飛ぶのもまだ少ないため

慢性疾患の予約患者さんがほとんどの午後は久しぶりにのんびりしています。

先日、50歳にリーチがかかった誕生日で、スタッフからスパ、エステのチケットをプレゼントしてもらいました。東京の贅沢なホテルで受けられるらしいんですが、嬉し恥ずかし。只今、いつ、どこに行こうかと妄想中です。

・・・そんなことより、今年もちゃんと人間ドックに行かなくちゃ。
私が元気じゃないと、皆さんの健康のお手伝いなんてできませんものね。

今年の花粉量はどうでしょう?

https://tenki.jp/pollen/3/14/

検索すれば、埼玉県各地の本日の花粉の飛散量が出てくるページです。

昨年はスギ花粉も多く、さらにヒノキ花粉が非常に多く、花粉症のある方はつらいシーズンだったと思います。
今年度は、例年並みか少し多いくらいで、去年に比べれば楽だと思います。

ピークは3月ですが、バレンタインあたりから本格的に飛び始めますので
花粉症の方はそろそろ心の準備を。
・マスク着用
・洗濯物や布団の外干しは考えて
・花粉がたっぷりつきそうなモコモコなセーターなどはアウターとして着ない、ペラペラのウインドブレーカーのような感じがベター

インフルエンザもまだまだ大流行中です。引き続きそちらも予防してください。

今シーズンで一番インフルエンザが多かったです。

ニュースでもやっている通り、インフルエンザ大流行中です。
現在流行中はAですが、当院でもAしか出ていません。

特に午前中は高熱の患者さんで混雑しておりますので、
余裕のある方は午後の来院をお勧めします。

特に朝起きて高熱になったばかりの方は、まだ検査で捕まえられない可能性が高く
検査自体は診断に必須ではないのですが、感染者と1,2日前にがっちり接触しているのでなければ
出来るだけ確かめたいところですので、焦らず午後に来ていただいた方が確実に診断できます。

また予防ですが、
風邪以外の症状で受診の方も、出来るだけマスクを着用しての来院をお勧めします。
忘れてしまって希望のある方にはお配りしています。
帰宅したら手洗いをしっかり、一応うがいもしてください。

動脈硬化について

今回のクローバーだよりに載せた記事です。

今年はインフルエンザAが猛威を振るっているところですが、皆様人込みへの外出時のマスク、帰宅時の手洗い、おうちの中の加湿など心掛けてください。

では、以下が記事になりますので、是非どうぞご覧ください。

血管についてお話ししたいと思います。歳をとると誰でも少しずつ血管も老いてきます。具体的には血管が分厚くなり、硬くなり、内側の壁がデコボコしてきます。

高血圧や高脂血症、糖尿病、慢性腎臓病があるとそれに加えて、
血管の壁の中に脂が溜まって細くなったり、
壁がもろくなり破れやすくなったり、
カルシウムが溜まってカチカチに硬くなったりしてしまいます。
その中でも喫煙されている方はさらにワンランク動脈硬化を進めると言われます。
タバコを吸っている方はお年寄りも老けて見える方が多い印象です。

☆血管が詰まる→梗塞と言います。心筋梗塞、脳梗塞が代表的です。
 詰まってしまった血管の先には血流が行かないので、組織が死んでしまいます。
☆血管が破れる→出血です。脳出血が代表的です。
血液で周りの組織が圧迫されると、やはり組織が死んでしまいます。

今は薬のおかげで極端な高血圧の方は激減し出血は少ないですが、高齢化や食事の欧米化で血管が詰まる方はまだまだ多いのが現状です。
梗塞が起きた場合は、数時間単位での治療が明暗を分ける場合が多いので、できるだけそのような緊急事態にならないように、日頃から基礎疾患の治療を続け、予防して行くことが肝心です。

全く持病のない方は少ないですが、一病息災という言葉もあるように、コントロールできていればそれほど怖いことはありません。私の方では、とても気になっている方に都度血管の評価をお勧めしていますが、一度評価してみたいと希望がある方は遠慮なく相談してくださいね。

HPVワクチンについて

週末はウイルス性肝炎関連の研修会で浦和へ、夕べはワクチンの講演会で越谷へと、ここのところ頑張って勉強しています。

HPV(人パピローマウイルス)ワクチン、積極的な接種の勧奨が控えられてはや5年半が経過しています。
現状はどうなっているのか、自治医大埼玉医療センターの今野先生の講演を聞きに行ってきました。

子宮頸がんは癌はHPVというウイルスによって引き起こされる感染症が原因の癌です。
40代でなくなる方が割合的に多く、非常に若い方の癌です。
上皮内癌になる方の平均年齢は35歳とのことです。
年間こちらの癌で3000名の方が他界されています。
ZARDのヴォーカルだった坂井泉さん、進行がんで自ら命を絶たれたのが私としては衝撃的な記憶で残っています。

2015年での子宮がん検診を受けた若年女性の疫学研究をおこない、予防接種を打った方には現時点のワクチンでも69%の効果が出ていると、
今年の5月に今野先生方が論文を出されたところだそうです。
100%にならないのは、ウイルス型が何種類もあり現行のワクチンでは予防できるものがすべての型をカバーしていないためですが
かなりの割合の癌の前段階を予防できていることになります。

HPVワクチンが定期接種化されたとたんに、長く続く全身(注射した局所ではなく)の痛みや精神障害、不随意運動などの報告がされ、
これが注射が原因の副反応なのか、それとは無関係にたまたま発症した疾患なのか証明できないまま
大騒ぎとなり、ばたばたと事実上の接種中止となってしまいました。
この間、WHOではこちらのワクチンは安全であるという宣言を出していたのですが、
新聞記事では副反応として報道したものが399本、WHOの宣言を肯定的なものとして報道したものが43本で
圧倒的にHPV悪という印象が広まってしまいました。

でも、お話を聞いて私自身、ほかのワクチンと比べて、メリット対デメリットがそんなに劣るとは思えませんでした。
年間3000例の死亡を原因の劇的に減らすのと、5万例に一例の重篤な有害事象、どちらも当事者になれば重いものではありますが、
全体としてとらえれば、ワクチンを行う方に軍配を上げたいです。
私には娘はいませんが、いたらやはり受けさせておきたいと思った次第です。

今野先生も、いろいろ苦労された感じで再開はなかなか難しいとおっしゃっていましたが
5月の論文をきっかけに、厚労省の英断を仰ぎたいと思います。

10月15日からインフルエンザ予防接種を始めます。

ホームページの冒頭にも案内しましたが、
来週からインフルエンザの予防接種を始めます。

インフルエンザワクチンは去年不足したため、心ならずもお断りしなければならなかった方
(当院にて初めてインフルエンザワクチンを希望された方にご遠慮願いました、本当に申し訳ありませんでした)
もいらっしゃいました。
今年は不足するというお話はあまり出ていないので、大丈夫だとは思っています。

例年お伝えしておりますが、
小学生以下のお子さん以外は、おおむね一回接種で大丈夫ですが、
一回接種の方は10月中にやってしまうと、早すぎてしまうかもしれませんので11月以降をお勧めします。

予防接種は2週間でおおむね抗体が付き、効果が出るようになります。
効果があるのがおおむね3~4か月なので、
B型インフルエンザが流行して、流行が3月まで長引く場合はかかってしまう可能性が高くなってきます。
逆に11月に流行することはまずなく、早くても12月、通常は1月が最も流行する時期なので焦らなくて大丈夫です。

二回接種の方は接種間隔1~4週とされていますが、間隔に余裕があれば二回目は3~4週が望ましいです。

受験生など、3月にも絶対にかかりたくない場合には
さらに接種を送らせて12月にするか、二回接種を考えていただいてもいいかもしれません。

ご質問がある場合には、お問い合わせからメールで送っていただいても結構です。
数日以内には返信します。

サルコペニアを防ぐために

今回のクローバーだよりに載せた記事です。
サルコペニアとは、年を取って筋肉、骨が弱り体を動かすのが難しくなってしまう状態です。
運動の秋、食欲の秋ということで実践してみてください。

今年の夏は、暑くてなかなか外に出て体を動かせないという方が多かったと思います。やっと運動にふさわしい時期がやってきました。
今回のテーマはずばり、“一生自分の足で歩きましょう”です。平均寿命の短い太平洋戦争時代くらいまでの日本人なら、体が動かなくなって寝たきりになる間もなく人生を終わることができたのですが、最近は寿命と健康寿命の差が10年以上開いてしまっています。先進医療は寿命を延ばすことはできますが、健康寿命を延ばすのは自分の生活習慣の積み重ねの成果によるところが大きいのです。

体の衰えとしては、
40代:全力疾走はもう無理かな~、急に走って転んだり怪我したり…
60代:走るのが難しいという方が増えてきます。
年を取るほど、個人差が大きくなるところがミソですが
80代:まだまだ畑仕事、ゴルフやってるよという方もいれば、杖なしでは歩けないという方も。

勝ち組に入るにはどうしたらいいでしょう?筋肉、骨をいかに衰えさせないかにかかっています。自分の年齢、体力に見合った運動を続けていくことがとても大切です。
比較的誰にでもスロージョギングはお勧めです。これは1分歩いたら、歩くのと変わらないスピードで1分ゆっくり走ってみる、そしてまた歩く、を交互に繰り返すというものです。これは透析患者さんのイベントで1時間程度行っていますが、皆さん最後までついてこられるので、かなり体力が落ちた方でもやれる運動だと思います。
あと、お勧めしたいのがテレビ体操です。筋力と柔軟性がないとバランスを崩した時に転びやすくなるため、腹筋、背筋を意識してやってください。
また十分なたんぱく質を取ることも大事です。タンパク質は、肉の赤身、魚、乳製品、豆類、卵に多く含まれていますが、体重1kgあたり1-1.5gを一日に取りたいです。たとえば100gのステーキには100gの蛋白は入っていません。20gがいいところです。体重60kgの人がステーキだけでタンパク質を取るには300g以上たべないと足りません。もちろんほかの食材、例えばごはんなどの穀類にもタンパク質は含まれてはいますが、おかずの主菜は多めに食べた方がいいと思います(腎臓が悪い方は蛋白制限がありますので食べ過ぎは禁物ですが)。

最後に最近の高校生くらいの年代の方に警鐘ですが、一生で一番ふっくらしていい年ごろなのに、痩せている方が多いです。このころに筋肉や骨の貯金をしないと将来サルコペニアになってしまいます。三つ子の魂百まで、やはり若いうちから運動習慣をつけ、3食バランスのいい食事を心がけてください。