しばらくぶりになりました。
対コロナの診療体制が固まり、新しくお知らせしたいことが幸か不幸かあまりありませんでした。
最近、今年のインフルエンザワクチンについて悩んでいます。
報道で盛んに今年の冬は接種しておくよう煽っているので
夏休み明けから非常に問い合わせが多いです。
今年はワクチンの生産量がここ数年では一番多いとされ3178万本製造の見込みです。一本で二人分打てますので、6300万人分と言われます。打てるのは日本の人口の半分弱でしょうか。
昨年は2951万本出荷で、2825万本消費されているとのことです。えー、増えたと言ってもそんな程度?と私は思いました。前にもこのブログで愚痴りましたが、インフルワクチンはこの3シーズン、クリニックごとに納入してもらえるワクチン数が規定されていて(ウチだけではないと思います)、特に2年前と3年前は、希望者全員にワクチンを打つことができず、お断りする方が多く出ていた状況です。
常時でこれで、例年は打たないけど今年はコロナがあるからワクチンを打っておこうかと考える方の人数に対応しきれるのでしょうか?
結論から言うと、ない袖は振れないです。
やはり、インフルエンザが重症化しやすい未就学児(7歳未満)や高齢者(65歳以上)、基礎疾患がある体の弱い方を優先すべきだと思います。8月の人口統計から、7歳未満+65歳以上でおよそ4283万人(全人口の34%程度)います。さらに持病のある体の弱い方はどれくらいいるでしょうか?
本当は希望者全員に接種してあげたいし、断るのは心苦しいのですが、こんな状況では元気な10−60歳くらいまでの方は、例年打っていないのであれば、よかったら遠慮していただきたい。
というのも、実は今日の外来にいらした60代前半の方が、”ニュースを見て自分も打たなくちゃと思ったんだけど、私は元気だから他の人に譲った方がいいわよね”とおっしゃり、それを聞いてハッとしたのです。”この人、とっても気持ちに余裕がある方、神だ〜”と心の中で叫んでしまいました。こんな人がもし風邪にかかって熱が出てしまったら、本当に誠心誠意治療してあげたい!!
報道でもワクチン不足になりそうなので、リスクの高い方は前倒しで接種しましょうなど出ていますが、それでは本末転倒。シーズン後半にワクチンの効果は切れてしまい、3月にB型が流行ったりすれば、罹患してしまう可能性が高く、私は賛成しかねます。
当院では、上からの何か特別な御達しがなければ
例年通り10月後半からインフルエンザワクチンは開始しようと思っています。毎年受けている方を極力お断りしたくないので、全くの初診の方(よしば診療所の診察カードを持っていない方)は断らせていただくことにしました。
予約はお取りしませんので、直接来院してください。電話でのお問い合わせも恐縮ですが、できるだけ我慢してください。断らせていただくための線をどこに引くかは、入荷の見込み数で少し変わるかもしれないので、9月いっぱいくらいを目処に随時更新していきます。
読んでいる皆さんには、ストレスを増やす話題で本当にごめんなさい。
メーカーさんには、こんな時くらい”余ってもいいっ”くらいの太っ腹な気持ちで十分ワクチンを作ってください!!と叫びたい。だって、春先にはわかってたでしょうよ。そして、それが資金繰りで難しいようなら、そこにこそ政府はお金を落としてあげるべきだと思います。