サルコペニアを防ぐために

今回のクローバーだよりに載せた記事です。
サルコペニアとは、年を取って筋肉、骨が弱り体を動かすのが難しくなってしまう状態です。
運動の秋、食欲の秋ということで実践してみてください。

今年の夏は、暑くてなかなか外に出て体を動かせないという方が多かったと思います。やっと運動にふさわしい時期がやってきました。
今回のテーマはずばり、“一生自分の足で歩きましょう”です。平均寿命の短い太平洋戦争時代くらいまでの日本人なら、体が動かなくなって寝たきりになる間もなく人生を終わることができたのですが、最近は寿命と健康寿命の差が10年以上開いてしまっています。先進医療は寿命を延ばすことはできますが、健康寿命を延ばすのは自分の生活習慣の積み重ねの成果によるところが大きいのです。

体の衰えとしては、
40代:全力疾走はもう無理かな~、急に走って転んだり怪我したり…
60代:走るのが難しいという方が増えてきます。
年を取るほど、個人差が大きくなるところがミソですが
80代:まだまだ畑仕事、ゴルフやってるよという方もいれば、杖なしでは歩けないという方も。

勝ち組に入るにはどうしたらいいでしょう?筋肉、骨をいかに衰えさせないかにかかっています。自分の年齢、体力に見合った運動を続けていくことがとても大切です。
比較的誰にでもスロージョギングはお勧めです。これは1分歩いたら、歩くのと変わらないスピードで1分ゆっくり走ってみる、そしてまた歩く、を交互に繰り返すというものです。これは透析患者さんのイベントで1時間程度行っていますが、皆さん最後までついてこられるので、かなり体力が落ちた方でもやれる運動だと思います。
あと、お勧めしたいのがテレビ体操です。筋力と柔軟性がないとバランスを崩した時に転びやすくなるため、腹筋、背筋を意識してやってください。
また十分なたんぱく質を取ることも大事です。タンパク質は、肉の赤身、魚、乳製品、豆類、卵に多く含まれていますが、体重1kgあたり1-1.5gを一日に取りたいです。たとえば100gのステーキには100gの蛋白は入っていません。20gがいいところです。体重60kgの人がステーキだけでタンパク質を取るには300g以上たべないと足りません。もちろんほかの食材、例えばごはんなどの穀類にもタンパク質は含まれてはいますが、おかずの主菜は多めに食べた方がいいと思います(腎臓が悪い方は蛋白制限がありますので食べ過ぎは禁物ですが)。

最後に最近の高校生くらいの年代の方に警鐘ですが、一生で一番ふっくらしていい年ごろなのに、痩せている方が多いです。このころに筋肉や骨の貯金をしないと将来サルコペニアになってしまいます。三つ子の魂百まで、やはり若いうちから運動習慣をつけ、3食バランスのいい食事を心がけてください。