喫煙のリスクについて、電子タバコのことも

“タバコ、だめなのは知ってるんだけど、なかなかやめられないんだよな~”
こんな話、よく診察室で伺います。なかなかやめられない人のために、一押し、今回は喫煙のリスクについてお話をしたいと思います。

まずはタバコと関連する疾患について。肺の病気(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、血管の病気(虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈りゅう)、がん(肺がん、喉頭がん、咽頭がん、食道がん)などが代表的です。 タバコを吸う人は、心筋梗塞になる確率が、男性だと3.6倍、女性だと1.4倍になります。突然死は、男性は10.7倍、女性は4.5倍多くなります
タバコに含まれる有害物質は200種類以上ありますが、代表的なのが、血管を傷めるニコチン、一酸化炭素、活性酸素です。ニコチンには依存性もありこれが禁煙がうまくいかない原因の一つにもなります。さらにアクロレイン、ベンズアルデヒドなどの刺激物質、ホルムアルデヒドなど発がん性物質も含まれています。
 こうした有害物質は、主流煙(フィルターを通して吸い込む煙)より、副流煙(タバコの先から出る煙で、周りの人が吸ってしまう煙)のほうに多く含まれていることにも問題があります。副流煙による有害物質は、髪の毛、洋服、ファブリックに付着してしまいます。タバコを吸うことは、自分にとって有害なだけでなく、周りの人にとっても有害なのです。
最近普及してきている加熱式タバコというのがあります。ライターなしで使え、アイコスなどが代表的なものですが、こちらについてもニコチン量は従来の紙巻きたばことほとんど変わりません。副流煙がないため周りに迷惑をかけなさそうですが、実は従来のタバコの1/4程度は有害物質をまき散らしているようです。
タバコ一箱(20本)460円として365日、50年間吸うと、840万円、高級車が1台買えるほどお金を消費しています。そのお小遣い、なにかもっとほかのことに使いたくないですか?
「禁煙の日」サイト(http://www.kinennohi.jp/)には、禁煙を支援する情報もたくさんありますので、ぜひご活用ください。