よしば診療所で発行しているクローバーだよりに書いた記事をこちらにもアップします。来月、受付で配る内容です。
1.ABC健診って?
採血検査で分かるので割と手軽な検査です。ピロリがいるかいないか(Hp抗体)、胃炎により胃の壁の組織に萎縮があるかないか(PG)で、(ABCD)の4段階に分ける検査です。http://www.srl.info/message/cs/2011/1017/01.html
ピロリ菌は年齢が若いほど持っている人が少なく、お子さんは3-5%しか陽性者はいませんが、10代のうちに除菌すればほぼ胃がんの発症を回避できるので、子供さんでこの検査を行う自治体があります。久喜市でも現在、小4で子供のメタボの採血検査をやっているので、一緒にやってくれるといいなと思います。
2.ピロリ菌のいない胃がんは非常に稀、胃がんはほぼピロリ菌の感染症なのです。
胃がんはピロリ菌によって引き起こされる、慢性(萎縮性)胃炎が母体になって発症してきます。ピロリ菌がいない胃がんは症例報告になるくらい少ないので、ABC健診でAだった人は、症状もないのにバリウムや胃カメラでの胃がん検診を受けなくてもいいんじゃないかと個人的には思ってます。
3.ピロリ菌がいたら、もれなく除菌を考えて。
ABC健診でA以外だった方は、ピロリ菌の除菌を行うべき。保険で除菌できる条件はバックナンバーでご確認を。除菌の薬にペニシリン系の抗生剤が使われますのでアレルギーの人は気を付けて!一次、二次除菌でおよそ90%の人が除菌できますが、残った方には三次除菌のプロトコールもあります。自費診療にはなりますが、除菌が二回とも失敗してしまった方はどうぞご相談ください。
4.除菌後はどうしたらいい?
未成年のうちに除菌できている方は稀です。だいたいが健康診断を受けるような40代以降で除菌している現状では、その後に胃がんを併発してくるリスクは半分くらいしか減らせません。除菌以降はABC健診は参考になりませんので、除菌がうまくいっても行かなくても、バリウムや胃カメラでの健診は定期的に受けていただきたいです。
ピロリ菌は年齢が若いほど持っている人が少なく、お子さんは3-5%しか陽性者はいませんが、10代のうちに除菌すればほぼ胃がんの発症を回避できるので、子供さんでこの検査を行う自治体があります。久喜市でも現在、小4で子供のメタボの採血検査をやっているので、一緒にやってくれるといいなと思います。行かなくても、バリウムや胃カメラでの健診は定期的に受けていただきたいです。