インフルエンザワクチンの効果はいかに?

今回、クローバーだよりにも載せたのですが、ワクチンの予防効果についての私見をまとめさせていただきましたので、よかったら読んでくださいね。

以下は8月30日の毎日新聞に載った、子供に対してのワクチン効果の記事です。 “インフルエンザのワクチンを接種しても、6-11カ月の乳児と13-15歳の子どもには、発症防止効果がないとの研究成果を、慶応大などの研究チームが米科学誌プロスワンに発表した。”  この記事をぱっとみて、今年はワクチン接種はしなくてもいいかなと思われた親御さんも多いと思います。これまでも一歳未満の赤ちゃんにはこのワクチンで抗体を作れる力が少ないので、積極的には接種をお勧めしていませんでしたが、13-15歳の発症防止効果がないというのは私にとってもびっくりでした。

以前からインフルエンザワクチンは、発症予防の効果は低く、主に重症化阻止効果をうたわれてきたワクチンです。特にB型は一種類しか入っていないので、予想が外れるケースも多く、感染力がやや低いにもかかわらず最近はシーズン後半に必ずと言っていいほど流行していました。  実は、今年からB型ワクチンが二種類はいることになり、B型インフルエンザの予防効果が高まります。これによりシーズン後半の流行はだいぶ落ち着くのではないかと考えられています

ここからは私の考えです。 重症化予防の観点から必ず打っていただきたい年齢層の方をまずお伝えします。1~4歳のお子さんはインフルエンザ脳症の発症リスクが高いので必ず二回接種をお勧めします。また75歳以上の方も肺炎の発症リスクが高いので接種をおすすめします。 それ以外の年齢の方は、命にかかわる合併症を発症するリスクは低いですが、集団生活をする人(重要度:園児、低学年の学童>中高学年学童>中高生、大学生)、大人では医療、介護関係者、人と接する機会の多い職種の方(営業、接客担当、教職員など)は、流行拡大防止の点から、是非打っていただきたいと思います。  ここまでは例年と同じですが、問題となるのは主に受験を控えた中学3年生でしょう。効果がないといわれ少し難しくなりますが、どうしてもかかりたくないのは今年も同じ、不活化ワクチンの予防接種は一回目がホップステップ、二回目がジャンプとなり、複数回接種することでしっかり抗体がついてきます。一回接種でいい年齢ではありますが、抗体が付きにくいので小学生以下のお子さんと同じく二回打っていただくといいのではないかと思います。