混雑時は、是非席を外してください。

よしば診療所では、5年前から混雑時に席を外して他の用事を片付けてきたり、一旦自宅に戻って休んだりできるように院内番号表示を行なっています。渡された番号札のQRコードを読み込めば、自分のスマホで今診察している方が何番かもわかるようになっています。
来院時に待合室に人がたくさんいたら、密集を避けるため、このシステムを利用して受付の後は、できたら院外でお待ちください。律儀に待合室に座って待っていなくて結構です。8月からの特定健診開始で、ここのところ以前のように混雑している日も出てきたので、是非お願いします。これからの時期は、待ち時間に吉羽公園でウォーキングしていただいてもいいと思いますし、お近くの方は一旦自宅にお戻りいただいても、ちょっとお使いをしてきても結構です。

当院での感染対策としては、体調不良者の診察時間帯を分けており、待合室の窓はどんなに暑い時、寒い時でも開けっ放しで換気し、院内の拭き上げも欠かさずやっておりますし、もちろんみなさんにマスク着用をお願いし(忘れた方には当院スタッフのお手製マスクを配っています)、待合室で大声で喋る方もいないので、感染は起こしにくい環境にはなっています。ですが、このウイルスの特徴として、症状が何もない潜伏期間にも感染させてしまうことがありますので、できるだけ待合室には30分以上いない方がいいと考えています。11時までと5時までは緩やかな予約診療としていますが、混んでしまっていた際には何卒ご協力をお願い致します。

なお、あまりにもギリギリで戻ってこようとすると、順番に間に合わず後ろになってしまう場合もありますので、自分の順番があと5人くらいになったら院内に戻っているようにしてくださいね。

季節が逆のオーストラリアの状況を参考にしてみます。

日本はこれから秋冬に向かっていきますが、南半球のオーストラリアはそろそろ冬が終わる時期です。今年のオーストラリアのインフルエンザというと、ほとんど流行がなかったそうです。朗報ですね!
ですが、冬場の方がコロナ重症者の割合が多いとのことです。これは要注意ですね!!

これは今日のリモートの講演会で聞いた話ですが、重症化の要因は飛沫の粒の大きさにありだそうです。夏の間は湿気があるのでなかなか水分が蒸発しないので粒子が大きいままで、すぐに地面に落下し、もし吸い込んでも粒子径が大きいので鼻や喉あたりで止まってしまうのに対し、冬は湿気がないのですぐに水分が蒸発し粒子が小さくなる。それらは空中に浮遊する時間も長く、また吸い込んだ時に奥の方まで入り込みやすいから、肺炎を起こしやすいということでした。夏の方が洗濯物は乾きやすいけどな〜とか、日本海側は冬でも湿気があるんじゃないのかな〜とか突っ込みどころはありますが、そんな話でした。
ということは、換気は最重要と思います(よしばはいつでも窓を開けていますよ)が、室内ではエアコンに加湿器をガンガンにかけて高温多湿を目指すのがいいということになりますね。

この夏の状況を振り返ると、暑い時期だからコロナ感染者が減るということはなかったですが、まだまだほとんどの方がコロナに感染していないことも考えあわせると、冬場は感染される方も重症化の割合も増えることは否めないと思います。

ですが、日本人こそほとんどの方が自覚を持って感染防御対策をがっちりとやっていますし、しっかり続ければ、インフルもコロナもなんとか小さく抑えられるのではと、期待しています。事実昨シーズンは1月第二週からびっくりするほどインフル患者さんが減少したのです。

インフルエンザ予防には、もちろんワクチンがつきものですが、オーストラリアでは、この冬インフルエンザワクチンを200万本増産し、900万本供給したそうです。3178万本と言われる日本に比べて少ないかと思いきや、人口比での供給量は日本の50%弱と比較して、70%と多いです。しかも今年増産分の割合がおおい。日本が7%しか増やさなかったのに比べ、28.5%も増やしていました。なんて素晴らしい!なんて羨ましい!!

最後愚痴で終わるのはなんなので、今日の講演会でちょっと目から鱗の言葉があったので記しておきますが、”自分が移されないことより、(症状がなくても移してしまうウイルスなので)自分は持っているものと思って他人に移さないつもりで行動しましょう”。
大事なのはみんな仲良くお互いを思いやること。with Corona時代、敵はウイルスであって人ではないということです。ワクチンメーカーや厚労省を敵視してはだめってことかな〜 (。-_-。)

頭の痛いインフルワクチンの配分

しばらくぶりになりました。
対コロナの診療体制が固まり、新しくお知らせしたいことが幸か不幸かあまりありませんでした。

最近、今年のインフルエンザワクチンについて悩んでいます。
報道で盛んに今年の冬は接種しておくよう煽っているので
夏休み明けから非常に問い合わせが多いです。

今年はワクチンの生産量がここ数年では一番多いとされ3178万本製造の見込みです。一本で二人分打てますので、6300万人分と言われます。打てるのは日本の人口の半分弱でしょうか。
昨年は2951万本出荷で、2825万本消費されているとのことです。えー、増えたと言ってもそんな程度?と私は思いました。前にもこのブログで愚痴りましたが、インフルワクチンはこの3シーズン、クリニックごとに納入してもらえるワクチン数が規定されていて(ウチだけではないと思います)、特に2年前と3年前は、希望者全員にワクチンを打つことができず、お断りする方が多く出ていた状況です。
常時でこれで、例年は打たないけど今年はコロナがあるからワクチンを打っておこうかと考える方の人数に対応しきれるのでしょうか?

結論から言うと、ない袖は振れないです。
やはり、インフルエンザが重症化しやすい未就学児(7歳未満)や高齢者(65歳以上)、基礎疾患がある体の弱い方を優先すべきだと思います。8月の人口統計から、7歳未満+65歳以上でおよそ4283万人(全人口の34%程度)います。さらに持病のある体の弱い方はどれくらいいるでしょうか?

本当は希望者全員に接種してあげたいし、断るのは心苦しいのですが、こんな状況では元気な10−60歳くらいまでの方は、例年打っていないのであれば、よかったら遠慮していただきたい。
というのも、実は今日の外来にいらした60代前半の方が、”ニュースを見て自分も打たなくちゃと思ったんだけど、私は元気だから他の人に譲った方がいいわよね”とおっしゃり、それを聞いてハッとしたのです。”この人、とっても気持ちに余裕がある方、神だ〜”と心の中で叫んでしまいました。こんな人がもし風邪にかかって熱が出てしまったら、本当に誠心誠意治療してあげたい!!

報道でもワクチン不足になりそうなので、リスクの高い方は前倒しで接種しましょうなど出ていますが、それでは本末転倒。シーズン後半にワクチンの効果は切れてしまい、3月にB型が流行ったりすれば、罹患してしまう可能性が高く、私は賛成しかねます。

当院では、上からの何か特別な御達しがなければ
例年通り10月後半からインフルエンザワクチンは開始しようと思っています。毎年受けている方を極力お断りしたくないので、全くの初診の方(よしば診療所の診察カードを持っていない方)は断らせていただくことにしました。
予約はお取りしませんので、直接来院してください。電話でのお問い合わせも恐縮ですが、できるだけ我慢してください。断らせていただくための線をどこに引くかは、入荷の見込み数で少し変わるかもしれないので、9月いっぱいくらいを目処に随時更新していきます。

読んでいる皆さんには、ストレスを増やす話題で本当にごめんなさい。
メーカーさんには、こんな時くらい”余ってもいいっ”くらいの太っ腹な気持ちで十分ワクチンを作ってください!!と叫びたい。だって、春先にはわかってたでしょうよ。そして、それが資金繰りで難しいようなら、そこにこそ政府はお金を落としてあげるべきだと思います。