いま、じわじわと夜の街から、家庭に感染の場がうつってきています。特別な外出をしなくても、少しずつ市中に感染が広がっています。
家族内感染で私が注目しているのは家族の年齢層です。
若い人とお年寄りが一緒に住んでいる家族は特に気を付けてください。
20代くらいまでの人は親と同居が多いと思います。その親世代は大体40~60歳くらいだと思います。このような比較的若い世帯は、感染者が増えても何とかなるかなと思います。
その先30代となると、親から独立して若い世帯になっている人も多いと思いますが、引き続き実家で高齢の親と同居している方もいると思います。そのあたりの方が今後要注意になってくる方たちです。30-40代では自分自身はまだ感染してもさほど重症になる方はおらず、自宅で普通に生活していて両親にうつってしまうことがあると思います。この方たちは50-70代と思われますので、ここは重症化することがあります。
なので還暦過ぎの家族と住んでいる方は、帰ってきたらすぐに入浴するとか、大皿で食卓を囲まないとか、家の換気をこまめにするとか、普段から少し気を使った生活をした方がいいと思います。元気なのに家の中でもマスクをしっぱなしとか、毎日手を触れるところをすべて消毒するまでは負担が大きいと思いますが、調子が悪かったらその辺りも確実にやっていただければと思います。
第一波は1月下旬の最初の感染報告から3か月、4月下旬で死者数のピークを迎え、1日平均30名程度を出しましたが、いったん5月中旬には新規感染者がほとんどいなくなり、6月に入ると死者数もおさまってきました。今は自粛を緩めて2か月、重症者の数は3月下旬と同様です。第一波の時にも4月の初めまでは、毎日の死者数は3人程度でした。この先1か月で第一波のような死者数に至る可能性については、まだまだ油断はできないと思います。
自粛要請はもう難しいかもしれませんが、それなりの覚悟をして一か月後に臨まないとならないと考えています。診療所でも、風邪症状の方が増えてくることを想定してより感染に気を付けていきたいと思います。